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奇跡なんて信じない…
神様だって僕は信じない…
あの日君を奪い去っていったもの全てから僕は目をそらしたかった……




Last Christmas





12月25日…子供にとって恋人たちにとって待ちに待ったイベント。
街もイルミネーションで飾られ賑わいをみせているそんな頃
僕は今年も一人、君が眠っているこの場所へやってきた…

静かなこの場所で君は今も奇跡を願っているの?
誓った約束をまだ君は覚えている?



12月××日〜某ラジオ局


司会「今日は今年の代表的なアーティストといってもいいでしょうこの方々3人にお越しいただきました」
「こんばんは〜!です」
です。よろしくお願いします」
です…」

司会「いやいや、今年もクリスマスの時期になってきましたが皆さんの予定は?(笑)」
「…………」
「…仕事です!!(笑)」
司会「でも…夜までではないんでしょう?その後は?」
「そりゃあ〜ねぇ〜?」
「ってなんで俺の顔みるんだよ!」
司会「お!君は何か予定があるのかな?」
「な、ないですよ!!今年も3人で食事するくらいです(笑)」
司会「そうなんだぁ〜。じゃあ3人でプレゼント交換とかするの?」
「しますよ!!誰のがあたるかはわかりませんけど(笑)」
「去年は俺、のが当たってラジコンだった」
「そうそう!!俺が狙ってたのにさ…」
司会「へぇ〜、3人は本当に仲がいいんだね!!」
「そうですね…2人には本当に感謝してます」
……」

司会「(な、なんでこんなにしんみりしてきちゃってるんだ?えっと次の話題…)」
司会「えっと…そうそう、みんなはサンタをいつまで信じてた?」
「サンタですか?うーん…いつ頃だろう?」
「小学校低学年くらいまですかね?」

「サンタなんていやしない…ボソッ」

司会「え?君なんて?」
!!」

「サンタも神様もこの世には存在しない…」

司会「ほほー!君はサンタを信じてなかったんだ!!でもどうして?何がきっかけでサンタを信じられなくなったの?」
「ちょっ…!!」

「3年前に…」

!!」

司会「お!!3年前!結構最近まで信じてたんだ!!(笑)」

「一番大切なものを失ったから…」

司会「え?」

「もしサンタがいるなら、今年こそ僕に失ったものを返して欲しい…
   神様がいるなら…もう一度失ったものに触れさせて欲しい……
   でも…もう戻ってこないから……」

司会「えっと…あの…君?…」

「と、とにかく!今年も俺たちはファンのみんなのサンタとして25日にイベントをします」
「是非みなさん遊びに来てください!!よろしくお願いしまーす」

司会「は、はい。では25日に素敵なクリスマスを過ごしたい方は是非遊びに行ってみてくださいね。
   それでは…今日はありがとうございました」

「ありがとうございました!!」

司会「リスナーのみなさんにはここで一曲。彼らの1stアルバムから『Winter story』」



♪〜〜♪〜〜〜♪


スタッフ「CMに入りました。お疲れ様です!!」

「お疲れ様です」

司会「お疲れ様!!えっと君?僕何かマズイ事聞いちゃったかな?」

「…………すみません」


バンッ…



勢いよくドアを開けてスタジオを飛び出した
街に出れば恋人達の笑い声、店から流れるクリスマスソングが聞こえてくる…
だけど僕にはそんな賑やかな音は必要なんてなかった
ただひとりになりたかった…君の事を想うだけになりたかった…


この世からクリスマスなんてなくなってしまえばいいんだ!
3年前のクリスマスの日から僕はそう思うようになった…

…君がいなくなったあの日から……






〜3年前〜



!!また窓開けっぱなしで!!もう12月なんだから風邪ひくだろ!!」
「だって〜!窓開けてないと外の様子見れないんだもん」
「ダメ!!風邪ひいたら退院がまた延びるんだからな!」
「退院…そう…だね…」
「…ほらっ!早くベットに戻った戻った!!」
「ふふっ…なんだか、お母さんみたい(笑)」
「なんだよそれっ!!が子供っぽいのがいけないんだろう!」
「えぇ〜?そんなことないよ!!」


無邪気に笑う…
もう入院をして4年になるけどその笑顔はいつだって明るかった
いつだったかが『私が笑っていられるのは…頑張っていられるのはがいてくれるからだよ』
そう言ってくれた時、本当に涙が出るほど嬉しくてをその日ずっと抱きしめていた

だけど…

この数ヶ月での病気は日に日に悪くなっていった
も自分自身の体がもう長くないことを察しているみたいだった
それでも僕はいつも通りに振る舞い、の一番側にいた

「あ!俺購買でちょっと買い物してくる!」
「私も!私も行きたい!!」
「ダメ!今日は朝から検査で疲れてるだろ?だからダメ!!」
「大丈夫だよ!購買に行くくらい!!」
「ダメ!!」

「……ケチ!!」
の好きなもの買ってきてやるから我慢しなさい!」
「ブー…」
「膨れっ面も可愛いねぇ〜ちゃん(笑)」
「ふんっだ!とっとといってらっしゃいよママ!!」
「マッ…」
「へへーんだ!あっかんベー」

「そういう所が子供っぽいっていうんだよ…(笑)」


病室を出て一息…
の弱っていく姿を見るのがとても居た堪れなかった
僕はに何がしてあげられるんだろう?
側にいるだけじゃなく…もっと他に何かできないのか!!


「ねぇ、。今年のクリスマスこそ雪が降るかな?」
「え?どうかなぁ〜?今年は暖冬だっていってるしね」
「私…東京に来てから一度もホワイトクリスマスって見たことないんだよね」
「東京でホワイトクリスマスなんて滅多にあることじゃないよ!それこそ奇跡に近いんじゃない?」
「そうだけど…やっぱり憧れじゃない。ホワイトクリスマスって……」

「じゃあさ…ホワイトクリスマスになるまでずっと…一緒にいような」

「え?」

「一応…告白だったりするんだけど……返事は?」
「……でも…私…もう…」
「俺はを誰よりも愛してる……だからずっと一緒にいたい!…は何の心配もしなくていいんだよ」
「…「ね?だから返事…聞かせて?の正直な気持ち」
「私は……のこと…好き…大好き!!…離れたくなんてない!!!!(泣)本当はずっと怖かった…」
「うん。もう大丈夫…俺達は離れたりなんてしないから」
「うん…うん…(泣)」

そう…僕たちは離れ離れになんてならない…そう願っていた

だけど……


3年前の12月25日

朝からとても寒くて仕事が終わって病院へついたのはPM6:00を過ぎていた
左のポケットにはクリスマスプレゼント用にラッピングされた小さな箱
右手にはの好きな花の小さな花束を持って…


トントンッ

〜!メリークリスマス!!」



……………………


「え??」



病室にの姿はなかった…
しばらくして看護婦が病室の前を通り過ぎるのが見えて、呼び止めの居場所を教えてもらった

は今日の朝に突然発作を起こし、そのまま意識が戻らない状況らしい…
廊下で泣き崩れているの両親に詳しい説明を聞き終える頃、医者が病室から出てきた

医者「最善は尽くしたのですが…後は本人の気力に頼るしかありません……」

母「〜!!!(泣)」
父「頑張れ……」


………」


何時間が過ぎて外は真っ暗になった頃、の意識が戻った
真っ先にの両親が病室へ入って行き、僕はそのまま廊下の椅子に腰を掛けたまま神様に感謝の祈りを捧げていた
数分しての両親が廊下へ出てきてに会ってくれと涙声で話してきた

病室に一歩入ると呼吸器をつけ苦しそうにしているがベットに横たわってた

!!」

「………あのね…窓の外…見て…みて?」
「窓の外?」
「うん…」


窓の外をみると少しではあったけど雪が降っていた

「奇…跡が…起こった…ね……。最…後に…と…ホワイト…クリ…スマス…迎え…られて…良か…った……」

!!!…やめろよ!最後とか言うなよ!!ずっと一緒にいるって約束しただろ!!離れないって………(泣)」

「うん…私…ずっと……の側…に…いる…よ?必ず…また…会い…に…来る…から…だから…もう…一つ…約…束して?」

「何…?」

「今…度…また…会え…たら…そ…の時…は…笑って…ね……わた…し……の笑っ…てる…顔…が…好き…だから…」

「っ…なんだよそれ!!約束ならもっと欲しいものとか、どこかに行きたいとかそういうこと言えよ!!
   俺…仕事も頑張るし、のことも大切にするから…だから…(泣)」

「いいの……は…私に…いつ…だっ…て…優し…かった…それ…だ…けで…十分…だよ………ありが……と…」


 ピー…


?……??……嘘だろ!!!!!」


 


心拍の停止を知らせる機械音…
医者が慌てて病室内に入ってきて心臓マッサージなどをほどこしたけど、は戻ってくることはなかった

抜け殻のようになった俺…
もう何のために生きていけばいいのかさえわからなくなっていたのに
それでも月日はどんどん流れていってがいなくなってから3年が過ぎようとしていた








2004.12.25

朝からイベントのリハーサルなどで忙しくしていた
忙しくしていた方が…歌ったりダンスに集中している方が気が紛れてよかった
一瞬でも気を緩めたらまたのことで頭がいっぱいになってしまうから…


「………おい!!!!」
「…え?あれ??」
「何ボケっとしてるんだよ!もうすぐイベント始まるぞ!」
「あ……」
「そんなんで大丈夫かよ…」
「しっかりしろよな!」
「う…ぅん」


イベントが始まった
たくさんの人が集まってくれて野外会場も盛り上がりが頂点まで達していた頃…
不意に観客の声に混じっているはずもないの声が聞えたような気がした

『……』

そう呼ばれたような気がしたんだ…懐かしい懐かしいの声
聞き間違えるはずなんてなかったんだ
大好きな人の大好きな声…いつまでたっても頭から離れなかった愛しい声

その声がまた僕を呼んだ気がした
周りをキョロキョロ見渡してその声の主を探すけどなかなか見つからない

?」
「うわっ…見て見て!」

観客「すごーい!雪だぁ〜!!!」

「え……?」


みんなの歓声の声を聞き空を見上げると雪がちらついていた
3年前と同じ粉雪の舞うその景色に涙が自然に流れてきた

それはホワイトクリスマスになった嬉しさの涙ではなく…
を失った日を思い出したからでもなく…

見上げたその先に今でも夢に見るの姿があったから
雪と同じようにゆっくりと天から降りてくるの姿は本当に天使のようだった


僕と同じ目線の高さまできた

…久しぶりだね……』
「………うん」
『ずっとのこと見てたよ?ずっと…』
……」

に触れようとして近づけば、すり抜けてしまうの身体
それが悔しくて…辛くて…でもはそれでも笑顔で話し始めた

この間、電柱にぶつかりそうになったでしょ?(笑)』
「え?」
『前から言ってたでしょ?メール打ちながら歩いちゃダメだって!!』
「み、見てたのかよ!」
『ずっと見てたって言ったでしょ?(笑)』
「そういえば、口うるさく言ってたよな」
『口うるさいは余計!!』
「そっか…ずっと見ててくれたんだな……」
『うん。約束したでしょ?』
「そうだな…」

は約束ちゃんと守ってよね!!』
「え?」
『今度会えたら笑顔で会おうねって言ったでしょ?』
「うん…」
『でもさっき、泣いてたでしょ!!』
「あ…でもあれは…」
『私が死んでから全然前みたいに笑わなくなったでしょ?』
「そんなこと…」
『ううん。笑わなくなった…だから私会いに来たんだよ?』
?」
『私ね…そろそろ生まれ変わるみたいなんだ。だから…もうに会いにこられない』
「え…」
『でも…今までのを見てたら私…の側離れられないよ!!』
……」
『ねぇ…。笑って?前を向いて?のこと想ってる人たくさんいるんだよ?』
君も君もみんなのこと心配してる…』
…」
『私のことをまだ少しでも想ってくれているなら…あの頃に戻って?…』
『私が大好きだったあの頃のに……』

!!!」


だんだんの姿が薄くなっていって声も小さくなっていった
また僕の前からいなくなってしまうのかよ…


「わかった!俺…またあの頃のように戻るから!!前向いて歩いていくから!!お願い…まだ消えないで…」

『……約束だよ……』

「うん…うん!約束するから……」

『…ありがとう…大好きだよ…』


そう言っては僕に近づき目をつぶってキスをしようとした
触れられない事はわかっていたけど腕をの背中に軽く回しを抱くようにして
僕も目を閉じた…






耳元で小さくなったの声が




     『メリークリスマス…』






慌てて目を開くとそこにはもうの姿はどこにもなかった




…」


「おい!!!」
「大丈夫かよ!」

?」

「お前今倒れたんだぞ!みんなビックリしてたんだからな」
「そうだよ!具合悪かったんならちゃんと言えよ!!」
「くそっ…いつだってお前は一人で抱え込んで!!!」
……」
「もっと俺たちに頼れよ…話しくらいは聞けるんだし…」
……」




『君も君もみんなのこと心配してる…』


今まで何を見ていたんだ?こんな近くに僕のこと心配してくれる人がいて
僕はそんなことを気付きもしないで自分の殻に閉じこもって…
これじゃあが心配して会いに来るのもわかる気がするな
もう僕だって子供じゃないんだ、自分の事は自分でちゃんと決めていかなきゃ!!
そう…の言った通り前を向いて歩いていかなくちゃ……





ステージに戻ると静まりかえった会場
みんなが僕の事を心配してくれていたのがわかる…
この雪の寒空の下、誰も帰らずに待っていてくれたことが心から嬉しかった


「あの…えっと…心配をお掛けしました…」

観客「〜!!!」

「みんな…帰らず残っていてくれてありがとう…」




   『ほらっ!ちゃんと笑って?』





またの声が聞えた気がした…
僕の事まだ見ていてくれてるの?だとしたら最高の笑顔を君に……












「メリークリスマス♪。.:♪*:・'(*⌒―⌒*)))」


観客「キャーー!!スマイル〜!!!!カッコイイ♪」
観客「〜!!!!」



「今日はみんなにプレゼントとしてこの曲をプレゼントします」

「聞いてください…『空から降りてきた白い星』」







♪〜♪♪〜〜♪〜〜♪







…生まれ変わってまた僕と出会おう……
そしてまた楽しい日々を送ろう…



きっと幸せにするから……




















イベント終了後


〜!ホテル戻るってよ〜!!」
「早くしろよ〜!!寒いんだから」

「…先帰ってて!!」
「え?」
「……わかった。あまり遅くなるなよ?」
「うん」


僕が向かった先…それはが眠っているあの場所
今日君に会えて僕はまた君に助けられたんだ…
だからどうしてもお礼が言いたかった



…今日はありがとな…俺、頑張るから……じゃあ…な」


の眠るその場所にあの日と同じ花束を置いて
ポケットから渡せなかった小さな箱を取り出そうとした時…


??「綺麗な花束ですね」

「え?」

??「私も好きなんですよ!その花」


振り返るとそこには白いコートを着た女の子が一人いた
近づいてくるその女の子の顔がはっきりしていくと驚きで声がでなくなった
だってにどことなく似ていたから…


「…………」

??「私の顔に何かついてます?(笑)」
「え?いや…」
??「あの……さんですよね?」
「え?…うん」
??「やっぱり!似てるなぁ〜って思ったんですよ。こんな所で会えるとは…(笑)」
「君はここで何してるの?」
??「私の両親…1年前の今日に交通事故で……」
「あ…ごめん。こんな所で聞くことじゃなかったよな」
??「いえ…いいんですよ。それにここでさんと会えたし(笑)」
「そっか…で君の名前は?」


??「です」


「えっ!!!!」




世の中にこんな偶然があるの?それともこれを運命というの?
ポケットの小さな箱をもう一度握り返して自分に問いた
そして確信したんだ








もう悲しむだけのクリスマスなんてやめにしよう













僕はきっとまたに恋するから…









fin...






メリークリスマス♪
皆様にステキなクリスマスが訪れますように…

by 裏@管理人